大学院版オンラインコース2−3

魅力の大学 大学院版オンラインコース

大学院版オンラインコース 2-3|相手の自己重要感を見抜く

出演者翔太/いちろ
配信日2026年9月1本目

2章の締めくくり。「自己重要感」を他人にどう使うか

翔太:

大学院版オンラインコース2-3ということで、2章は今回が最後になります。

前回2-2では、心の欲求段階と自己重要感、自分軸・他人軸の関係について話しました。

簡単に振り返ると、魅力の実力が上がることと、自分のマインドのレベルが上がることは、かなり密接に関係しています。

魅力とは、関わる人に価値を提供すること。その重要な一つが、相手の自己重要感を満たすことでした。

つまり、魅力の実力とは、

目の前の人の自己重要感を、どれだけ深く、的確に満たせるか

ということです。

ただ、人は自分が満たされた分しか人を満たせないし、自分が知っている満たし方しか相手に提供できません。

自分が爪に気を使った経験がなければ、相手の爪へのこだわりにも気づきづらい。仕事で本気で挫折した経験がなければ、仕事に苦しんでいる人の気持ちにも解像度高く寄り添いづらい。

だから、自分の魅力の実力を上げるためにも、マインドのレベルを上げるためにも、まずは自分が今いる段階を食い切ることが大事です。

目の前にある自己重要感の対象を満たし、今の自分が強く関心を向けていることを一つずつやり切っていく。

そうすると、自分自身の自己重要感が満たされるし、他人を満たすための手札も増えていきます。

今回はここから一歩進めて、これを恋愛に使います。

僕らが女性を口説く時、相手の自己重要感をどう見極めているのか。どういうところを見て、どう考えて、何を言っているのか。

後半はかなりフリートークですが、僕らの頭の中をできるだけ言語化していきます。

いちろ:

ここまではずっと、自分たちの内面の話でしたもんね。

今回は、それをどう他人に適用するかという話になるんですね。

翔太:

そうです。

結局、ここまで学んだことを口説きや人間関係に使えないと、現実はなかなか変わりません。

その前に、前回2-2を聞いた方から来た質問を一つ補足しておきます。

「主役」以外の2つの自己重要感はどうなるのか

翔太:

前回、生存・生殖欲求、探索、探求には、それぞれ自己重要感の「主役」があるという話をしました。

自己重要感は、

  • 自律性
  • 優越性
  • 関係性

の3つに分けて考えられます。

生存・生殖欲求では関係性。
探索では優越性。
探求では自律性。

ここまでは話したんですが、

「じゃあ、それ以外の2つはどうなっているんですか?」
「生存・生殖で関係性が主役なら、自律性と優越性は関係ないんですか?」

という質問がありました。

いちろ:

なるほど。あくまで「主役」であって、他の2つもあるんですね。

翔太:

あります。

マインドの成長段階というのは、言い換えると、自分の自己重要感の満たし方のセットです。

もっと簡単に言えば、

「自分は今、何にものすごく興味関心を向けてしまうのか」

という話です。

理性で「こうした方がいい」と考えることではなく、本心が重力みたいにどこへ引っ張られるのか。

段階ごとに、その主役が変わります。

マインドの成長段階ごとの、ものの見方・自律性・優越性・関係性の一覧

生存・生殖欲求では「受け入れられるか」が世界の中心

翔太:

生存・生殖欲求では、

「周りに受け入れられるか」
「ここにいて安全か」
「自分は合格か、不合格か」

ということが一番大きな関心事になります。

だから、自己重要感の3要素の中では関係性が主役です。

いちろ:

受け入れられていれば正解。

受け入れられていなかったら、もう全部ダメ、みたいな。

翔太:

そうです。

かなり0か100かにもなりやすい。

じゃあ、その時に自律性はどうなっているのか。

正直、本心レベルではほとんど存在しません。

いちろ:

「自分はこうしたい」というのも、あまりない。

翔太:

理性では考えると思うんですよ。

「本当はこうしたい」
「こんなことができたらいいな」

でも、とっさの心の動きでは、そんなことをやる余裕がない。

周りから外れる方が怖いんです。

優越性も、ポジティブな「人より優れたい」という形ではまだ出にくい。

出てくるなら、むしろ劣等感です。

いちろ:

マイナスを、せめてプラマイゼロまで埋めたい感じですね。

翔太:

そうです。

「自分はできない」
「できない自分が嫌だ」

というエネルギーです。

恋愛でも、

「女性を口説けない自分が嫌だ」
「女性攻略ができない自分が嫌だ」

という気持ちからオンラインコースや彼女獲得コースを受講する人はいると思います。

僕自身もそうでした。

逆に言えば、この段階ではネガティブエネルギーがものすごく使いやすい。

「今の自分が嫌だ」というエネルギーが出るなら、それを使って今の段階を食い切ればいい。

いちろ:

逆に、そのネガティブでずっと頑張ってきたのに、最近あまりエネルギーが湧かない、みたいになってきたら、少し移り変わっている可能性もあると。

翔太:

あります。

昔ほど「周りに受け入れられるかな」と、とっさに心配しなくなっている。

「まあ、俺でも大丈夫かもしれない」

という感覚が出てきているなら、生存・生殖欲求は終わりかけているかもしれません。

探索では「周りより優れているか」が中心になる

翔太:

次に探索へ行くと、興味関心が変わります。

ある程度「自分も受け入れられる」と思えるようになったので、今度は、

「周りより自分が優れているか」
「自分の市場価値は高いか」

が気になってくる。

もっと上に行きたい。
これだけで終わりたくない。
もっとすごくなりたい。

ここでは優越性が主役になります。

いちろ:

「受け入れられる」はクリアできた。

じゃあ次は、もっと多くの人にとか、同期よりもとか、あの人よりも、みたいになるんですね。

翔太:

そうです。

この時、自律性と関係性も、優越性を満たす方向に意味が変わります。

まず自律性。

探索では、とにかく数字を追うようになります。

ただし、「どの数字を価値あるものとするか」は他人軸が決めていることが多いです。

魅力の大学や大学院にいれば、女性経験やクロージング数を気にするかもしれない。

社会なら年収、肩書き、会社名、経営者かどうかを気にするかもしれない。

どの戦場で戦うかは自分で選んでいるので、その意味では自律性です。

ただ、「その数字が高いことは価値がある」という基準自体は、周りや社会から受け取っている。

でも、これは悪いことではありません。

探索にいるなら、思い切りやった方がいい。

僕らもやってきました。

関係性も変わります。

探索では、自分の成長に寄与する場所を求めるようになります。

一人だとダレるけど、頑張っている人が周りにいると自分も頑張れる。

切磋琢磨できる場所。
自分を成長させてくれる人。
情報をくれる人。

そういう「有用な関係性」に価値を感じやすくなります。

いちろ:

めちゃくちゃ心当たりあります。

僕はこのフェーズの時、

「この人から学べることないなら、一緒にいる時間の無駄じゃない?」
「こんなところで時間を潰してたら負ける」

みたいな切迫感がありました。

あとは、競争に勝てるフィールドへ行きたい気持ちもあったかもしれません。

翔太:

優越感を簡単に感じられる場所ですね。

弱小校のエースみたいな。

いちろ:

そうそう。

自分が優れていると示せる数字が見つかれば、それでいいところもあった。

翔太:

それが絶対に悪いわけではありません。

ただ、競争が緩い場所に居続けると、探索を抜けづらくはなります。

本気で勝てない相手がいる場所で頑張ることが、探索を刺激します。

自分がまだ探索の要素を強く持っていて、もっと魅力的な男性になりたいなら、自分より上がいる場所には身を置いた方が成長しやすいです。

成長するためには「質のいい不快」を取りに行く

翔太:

心の成長段階の話では、快と不快の話がありましたよね。

人間は、不快を避けて快へ移動するために行動します。

だから成長には、ある程度の不快が必要です。

絶対に自分が勝てる場所に居続けるのは、その瞬間は気持ちいい。

でも、ずっと快適なら移動する理由がない。

行動も生まれづらいし、成長もしづらい。

いちろ:

だから、「不快を避ける」んじゃなくて、どの不快を取りに行くかなんですね。

翔太:

そうです。

不快をどれだけ適切に、戦略的に選択できるか。

自分より成果を出している人がいるところへ行けば、劣等感を感じるかもしれません。

でもそこで、

「何くそ」
「俺もここまで行きたい」

と頑張る。

これは質のいい不快です。

その不快に立ち向かっていけば、恋愛でも仕事でも市場価値が上がります。

彼女ができる。
理想に近い女性から好かれる。
仕事で成果が出る。
昇進する。

そうやって、

「まあ、自分はちゃんとやれば大丈夫だな」

という安心感が出てくると、探索の終わりが見えてきます。

いちろ:

恋愛が得意じゃなかったから魅力の大学に入っているわけで、その時点でみんな不快に立ち向かう選択はしているんですよね。

翔太:

そうです。

それができたという成功体験は、かなり大きいです。

探求では「俺はどうしたいか」に変わる

翔太:

探索をある程度食い切ると、今度は探求です。

彼女もある程度作れる。
選んで口説ける。
仕事でも能力を評価される。
数字も積み上がった。

そこで、

「俺、これしたかったんやっけ?」

という感覚が出てきます。

数字を積み上げても、思ったほど満たされない。

「この数字を増やすことが、本当に自分の人生の価値だったっけ?」
「これ以上やって、何が変わるんだろう?」

となる。

そこで興味関心が、市場価値や数字から、

「俺はどうしたいか」
「自分だから出せる価値は何か」
「自分は何を大事にしたいのか」

へ移っていきます。

ここで自律性が主役になります。

抱ける人数より、自分がやりたい口説きをしたくなる。

仕事でも、自分の強みを生かせる場所、自分の人となりが価値になる場所を選びたくなる。

型を守ってきた人が、型を破り始める時期です。

優越性も消えるわけではありません。

比べる対象が、他人から過去の自分へ変わります。

「昨日の自分より頑張れたか」
「昨日より自分らしくできたか」
「昨日より自己理解が深まったか」

という比較になる。

だから、経験人数や他人との数字の差でまだ大きく一喜一憂するなら、その領域では探索の要素がまだ強い可能性があります。

関係性も変わります。

探索では「成長に役立つ人」を求めていました。

探求では、「自分らしさを出しても受け入れてくれる人」「自分の強みや人となりを理解してくれる人」を求めるようになります。

いちろ:

探索から探求に行く時って、虚しさがありますよね。

数字を積み上げてきたけど、借り物の数字だけじゃ意味がないんじゃないか。

「自分って何なんだろう」って、自然に目が向き始める。

翔太:

そうです。

逆に言えば、そこへ行くまでは思い切り借り物でいいです。

いちろ:

借り物のルールで競争して、勝った負けたをやるのも楽しいですからね。

マリオカートみたいなもので。

勝ったら「あいつより上手い」って嬉しい。

でもずっとやっていると、

「俺、マリオカートやってていいのかな?」

みたいな瞬間が来る。

翔太:

そういう感じですね。

ギターでも絵でも同じです。

最初から「自分らしさ」を出そうとするんじゃなくて、まず型を覚えて上手くなる。

「誰よりも上手くなりたい」と練習する。

上手くなってから、

「俺が描きたいの、これじゃないな」
「こっちだよな」

と型を破っていく。

最初は他人軸で踊り切ってから、自分軸へ移る。

この順序を飛ばすと破綻しやすいです。

貢献になると、主語が「俺」から「WE」へ変わる

翔太:

探求まで満たしてくると、かなり幸せなんですよ。

自分の強みを生かせる仕事がある。
その人となりを周りから評価してもらえる。
自分らしくいられる友達がいる。
彼女もいる。
仕事でも評価されている。

もう普通に幸せじゃないですか。

ただ、人間は欲深いので、そこにもいつか虚無が来ます。

一人で勝っていても面白くなくなってくる。

自分一人だけ勝者でも、本当の意味では周りと分かち合えない。

そこで、

「みんなで勝ちたい」

という方向へ興味関心が移っていきます。

主語が「俺」から「WE」になる。

ここまで来ると、自律性・優越性・関係性のどれか一つが主役というより、全部が統合されていきます。

組織で勝つには共通の目標や目的が必要ですよね。

会社ならミッションです。

「自分たちは何のために存在しているのか」
「社会に対して何を実現したいのか」

それを掲げて、みんなで追う。

自分軸か他人軸かという二択でもなくなります。

ミッション達成に一番寄与する考え方は何か、という視点で選べるようになります。

優越性も、「自分がどれだけすごいか」ではなく、

「自分たちが周りにどれだけ価値を提供できたか」

という指標になる。

魅力の大学なら、どれだけ非モテの人を救えたか、みたいな話です。

関係性も、場所を求める側から、場所を作る側へ変わります。

これまでは、

「受け入れてくれる場所」
「成長させてくれる場所」
「自分らしさを出せる場所」

から価値をもらっていました。

貢献では、自分がその場所を作る側になる。

いちろ:

場を作るって、普通に大変ですもんね。

翔太:

めんどくさいです。

労力もかかる。

でも、それでも「意義があるからやる」「自分がやる必要がある」と思える。

それ以下の欲求はある程度自給自足できるようになっているから、余ったものを周りへ提供できるようになるんです。

ただし、価値提供する側に回ることがまだ心から「めんどくさい」と感じるなら、無理に貢献へ行かなくてもいい。

探求まででも十分幸せです。

「下」というより、まだ伸びしろがあるという話です。

いちろ:

むしろ階段を駆け上がっている途中が一番楽しいまでありますよね。

成功した人が「頑張ってる途中が一番面白かった」と言うのも分かる。

翔太:

そうです。

家族ができて人生がまた面白くなったという人もいますよね。

それまで自分一人である程度満たせていた人が、家族という「WE」を持つことで、半強制的に貢献へ向き合う。

子育てを通して親も成長するというのは、まさにそういう面があると思います。

今の段階と違う行動をしてもいい。ただし、自分に嘘をつかない

いちろ:

じゃあ、たとえば探索にいる人が起業したり、発信したりするのは早いんですか?

翔太:

行動自体は、どの段階でしてもいいと思っています。

「マインドがその段階に至ったから、その行動をしていい」という順番だけではありません。

その行動をしたことで、不快にぶつかって、マインドが上がる経路もあります。

だから、

「自分は生存・生殖だから、これはしてはいけない」
「探索だから起業してはいけない」

と決めすぎなくていい。

やってみたらいいです。

もちろん、効率は悪いかもしれないし、めちゃくちゃ辛いかもしれない。

でも、それによってちゃんと挫折できるし、納得できることもあります。

いちろ:

逆に、自分は探索なのに「社会のために起業します」と貢献っぽい理由を被せる方が苦しくなりそうですね。

本音では、

「とにかく稼ぎたい」
「他の社長より結果を出したい」

なら、それでやった方が伸びそうです。

翔太:

そうです。

一番辛いのは、自分の段階を見誤って、

「俺はここなんだ」

と思い込んでやることです。

探索なら探索でいい。

自分の現在地に開き直って、そこを全力でやった方がいいです。

マインドの成長段階ごとの食い切りの方法と移行のサイン

口説きの最上位目標は「相手の自己重要感を満たすこと」

翔太:

ここから本編です。

口説きです。

僕はQAライブでも、デートや口説きの手段を質問された時、毎回立ち返る最上位の目標として、

相手の自己重要感を満たすこと

と言っています。

呼び方は自己肯定感でもいいと思います。

自分の中で納得できる理論が確立していれば、言葉自体は何でもいい。

いちろ:

根本は一緒ですね。

翔太:

そうです。

さっきまで話していたのは、「各段階で、人は何によって自己重要感を感じるのか」という話でした。

ということは、ここに口説きの答えがかなり載っています。

いちろ:

これを、そのまま女の子に適用したらいい?

翔太:

ただし、表に書いてある文章をそのまま読み上げたらダメですよ。

「○○ちゃんって、周りに受け入れられたいんだね」

とか言われても、

「は?」

ってなりますから。

大事なのは、相手の日々の行動や言葉から、その人がどんな自己重要感を求めているのかを考えることです。

自己重要感は男性だけのものではありません。

男女ともに、人間は全員持っています。

だからこれを理解すると、恋愛だけではなく、彼女、友達、仕事、上司、部下、誰に対しても使えます。

いちろ:

「女性は一律でこういうものを求めている」ではなく、人によって段階が違う。

その人が今求めているものを的確に与えるということですね。

翔太:

そうです。

誰よりも自分の自己重要感を満たしてくれる異性がいたら、離したくないじゃないですか。

誰よりも自分を理解してくれて、

「この人と一緒にいると、自分は重要な存在だと思える」

という人を、わざわざ離す理由がない。

だから、クロージングまではいけるけど関係が続かない時、自己重要感のグリップが甘いケースもかなりあると思っています。

手札が少ないと、褒め方も「かわいい」「すごい」で止まる

翔太:

0→1の段階の人が褒めようとすると、

「爪きれいだね」
「服かわいいね」
「すごいね」

くらいで止まりやすい。

価値観を深掘ろうとしても、

「いいね」

で終わってしまう。

いちろ:

自分が見えている自己重要感の範囲が狭いから、その範囲でしか褒められない。

翔太:

そうです。

自分が何で自己重要感を感じるのか、その手札がまだ少ないんです。

たとえば、自分が仕事に本気で向き合ったことがないなら、仕事で感じる挫折や、仕事へかける意味を肌感覚では理解しづらい。

だから「やったことがないことは褒めづらい」「満たしてあげづらい」という話になります。

ただ、今回は欲求段階と自己重要感の全体像があります。

自分がまだ経験していない領域でも、仮説は立てられる。

そこから相手を見てみましょう。

探索の女性なら、実績や努力をちゃんと褒めることもある

翔太:

たとえば、仕事を頑張っている女性がいる。

話を聞いていると、まだ将来やキャリアに少し不安があって、結果を出したい感じがする。

「この人、仕事については探索が強そうだな」

と仮説を立てたとします。

どう褒めます?

いちろ:

探索がかなり強いなら、仕事の頑張りとか実績を普通に褒めると思います。

翔太:

ですよね。

「実績だけを褒めるな」と言われることもありますが、その人が今まさにそこで認められたいなら、実績を褒めるのは全然ありです。

いちろ:

仕事で認められたい人なら仕事だし、コミュ力で認められたいなら、

「友達が多い」
「自分がいると人が集まる」

みたいな話を出してくると思うんですよ。

そういう時は、

「それ普通にすごいよね」
「俺だったら羨ましいと思う」

とか言いますね。

翔太:

さらに、その行動がなぜ成立しているかまで見ます。

たとえば、

「私が行くなら行くって言う子、多いんだよね」
「私がいると人が集まる」

という女性がいる。

じゃあ、なぜその人の周りに人が集まるのか。

もしかしたら、グループが円滑に回るように周りを盛り上げているかもしれない。

予定を率先して決めているかもしれない。

ファシリテーションしているかもしれない。

つまり、主体性を出して場を回すことに、その人の自己重要感の源泉がある可能性がある。

そこで、

「楽しそうにしてるけど、なんやかんやめっちゃ気使ってるよね」
「実は結構エネルギー使ってない?」

と伝えてみる。

これが当たっていたら、

「そうなんよ」

と返ってきます。

人は不快を避けて快を取るために行動します。

だから、相手が日々どういう行動をしているのかを聞けば、

「この人は、その行動によって何を得ようとしているんだろう?」

という仮説を立てられます。

まず行動を聞く。
そこから価値観を深掘る。
感情を深掘る。

僕らはこうやって、相手の自己重要感を特定していきます。

「私なんか」と言う人には、まず受け入れる

翔太:

もう一つ分かりやすいのが、

「私なんか」

とよく言う人です。

褒めても、

「いやいや、私なんか全然」
「そんなそんな」

と受け取ってくれない。

ここからはいろいろ仮説が立ちます。

たとえば、生存・生殖欲求が強く、自己肯定感が低い。

親との関係、学生時代の人間関係、職場での経験などから、受け入れられなかった感覚が強いのかもしれない。

じゃあ、なぜ「私なんか」と言うのか。

その言葉を使うことで、どんな快を得ているのか。

一つの可能性は、先に自分で自分を否定しておくことで、他人から否定された時の傷を小さくしていることです。

自分の評価をあらかじめ下げておけば、周りから何か言われても帳尻が合う。

本当は傷つきたくない。

だから「私なんか」という言葉で自分を守っている。

そう仮説を立てるなら、その人に必要なのはアドバイスではなく、受容です。

「今までこういうことで傷ついてきたんだね」
「本当はこうしたかったけど、周りを気にして諦めたんだよね」
「そういうところも含めて、俺はいいと思うよ」

と、その人が隠している自分まで受け入れてあげる。

それが本当に刺さると、

「分かってくれた」

となる。

いちろ:

ただ、ここまで一気に言語化するのは、最初はかなり難しいと思います。

翔太:

難しいですか?

いちろ:

難しいと思う。

なのでファーストステップとしては、

「この人、生存・生殖が強そうだな」

と思ったら、まず否定しない。

とにかく受け入れる。

そこだけでもいいと思います。

その上で、

「もしかして、昔こういうことあった?」
「周りにどう思われるか、結構気になっちゃう?」

と探ってみる。

当たっていたら、

「実は……」

と出てくるかもしれない。

翔太:

なるほど。

僕、すぐ難しく喋っちゃうんですよね。

ここが僕の伸びしろです。

いちろ:

でも、そこが翔太くんらしさですから。

翔太:

そうやって受け入れられると、僕は脳汁が出ちゃいます。

これがまさにデートでやることですよね。

ピンとこなければ「自分が欲しいもの」を人に与える

いちろ:

今の話がまだピンとこない人もいると思うんです。

そういう人は、自分が今一番欲しいものを周りに与えればいいと思います。

自分が受け入れてほしいなら、

「よくやってるよ」
「すごいじゃん」
「俺は普通に君のこと好きだけどね」

と、目の前の人を受け入れてあげる。

自分がやってほしいことを、そのまま人に全力でやる。

そこからでいい。

翔太:

そうですね。

それを開き直ってやり切った方がいいです。

上の段階に行ったからといって、下の段階の自己重要感がなくなるわけではありません。

上に行くほど、それ以下が全部手札として増えていくイメージです。

探求の人だって受け入れられたら嬉しい。

探索の人だって、

「頑張ってますね」
「その数字すごいですね」

と言われれば嬉しい。

だから、まず誰に対しても使える基本があります。

いちろ:

「ありがとう」を言う。
目を見て挨拶をする。
相手の存在をちゃんと認知する。

これだけでも、受け入れられている感覚になりますよね。

翔太:

そうです。

「おはよう」
「ありがとう」

は一番簡単なコミュニケーションです。

いちろ:

逆に、女の子が何か喋ったのにリアクションしないとか、完全に会話を無視してしまうと、

「私、認められてない」

と感じる。

翔太:

リアクションしないのは、本当にダメです。

その人の存在、その人が出したコミュニケーションを否定しているのと近い。

大げさに褒めなくてもいい。

ちゃんと聞く。
小さくてもリアクションする。
「あなたの話を聞いてるよ」と伝える。

それだけでも自己重要感は満たせます。

相手の「言葉・行動・感情」を全部情報源にする

翔太:

ここまでの話は、男女どちらにも使えます。

日々関わる人全員です。

「この人は、何によって自己重要感を感じているんだろう?」

と考える。

言葉選び。
行動。
表情。
挙動。
何に感情が動くか。

全部が情報源です。

「私なんか」と自分を否定する人と、

「その仕事、私やります」
「やらせてください」

とアグレッシブに前へ出る人では、自己重要感の源泉が違う可能性が高い。

今、仕事を頑張りたい時期なんだろうな。

だったら、その頑張りを肯定したら喜ぶかもしれない。

そう仮説を立てて、実際に言う。

お金は一円もかかりません。

それでも相手には価値を提供できます。

まず今回の音声を聞いて、ここは実際にやってほしいです。

生存・生殖の人に出やすいサイン

いちろ:

「観察してみてください」だけだと難しいと思うので、段階ごとに出やすいサインも考えてみましょう。

生存・生殖の人が言いがちな言葉ってあります?

翔太:

一番分かりやすいのは、

「私なんか」

ですね。

いちろ:

「俺なんかまだまだです」とか。

翔太:

そうです。

自分を傷つける言葉、自分を否定する言葉を選ぶ人は、先に自分を否定することで帳尻を合わせている可能性があります。

だから、生存・生殖が強い可能性は高い。

あとは、目を合わせないとか。

動きが早くて、落ち着かないとか。

いちろ:

相手に受け入れられているかのジャッジに敏感だから、目を合わせる、挨拶する、相手の話を落ち着いて聞く、みたいなこと自体にソワソワしやすいのかもしれませんね。

「俺も何か言わなきゃ」
「認めてもらわなきゃ」

が先に出る。

翔太:

そうですね。

だから、そういう人には、

「大丈夫だよ」

と受け止めてあげることが大事です。

これ、新入社員の育成でも同じです。

その職場という領域では、新入社員は生存・生殖段階であることが多い。

右も左も分からない人に、

「お前ならいける」
「もっと自分らしくやれ」

といきなり鼓舞するより、

「何が不安?」
「俺も最初そうだったよ」
「失敗しても大丈夫。こっちで受け止めるから」

と安心感を作る。

そうすると、

「この人の下なら頑張れる」

と思えて、行動しやすくなります。

探索の人は「実績・数字・評価」の話が増える

翔太:

探索はどうでしょう。

いちろ:

ブランドとかも一つですよね。

人より秀でていることを示すもの。

仕事で表彰されたとか。

翔太:

デートなら、話を聞けば結構分かります。

仕事について聞いた時、その人が探索の領域にいるなら、かなり熱量高く話してくる。

趣味でも、スポーツ、バンド、SNSなど、得意なことを初手で出してきたら、

「探索か探求っぽいな」

と当たりをつけることがあります。

いちろ:

「自分はどうしたいか」より、

「どんな実績があるか」
「どう評価されているか」

が先に出てくるのは探索っぽいですね。

仕事を聞いたら、会社の説明や自分の業務、成果の話がかなり長い。

大学名も言いたくなる。

趣味でも、

「バンドでこういうところに出た」
「SNSでこれくらい伸びた」

みたいな話が出る。

翔太:

努力の中身をたくさん喋るなら、

「この努力を認めてほしいんだろうな」

という仮説も立てられます。

出てくる言葉は、本音のヒントです。

探索では、

自分の価値を証明したい

という欲求がかなり出やすいと思います。

探求の人は「何をしているか」より「なぜしているか」を語る

翔太:

探求になると、「何をしているか」より「なぜしているか」の話が増えます。

自分なりの思想がある。

僕のパートナーも、かなり早い段階からこの話をしていました。

営業をずっと極めてきたけれど、市場価値そのものより、

「自分というキャラクターのステータスを全部伸ばしたい」

という感覚が大事だった。

パワプロのレーダーチャートみたいに、自分自身の能力をパンパンにしたい。

そのための計画を立てて、計画通りに遂行できることに脳汁が出る。

そんな話をしていました。

いちろ:

何をやっているかより、

「なんで自分はこれをやるのか」

の分量が多いんですね。

翔太:

そうです。

そこに自分なりの思想がある。

愚痴にも違いが出ます。

生存・生殖なら、

「ただただ辛い」
「嫌だ」

という愚痴になりやすい。

探索なら、

「俺はこんなに頑張っているのに認められない」
「もっとできるのに」

という愚痴になる。

探求なら、

「この仕事にはこういう意義があるはずなのに、なんで周りは意味を考えずにやっているんだ」

というところに腹が立つ。

いちろ:

「意味なく過ごしている人たち、何なんだろう」
「もっと意味を見出して頑張ろうよ」

みたいな。

翔太:

そうです。

興味関心事が違うので、どこで感情が大きく動くかも変わるんです。

欲求段階は「人生全体で一つ」ではない

いちろ:

これ、人生全体で一つの段階にいるというより、対象ごとに山を登り直す感じなんですね。

翔太:

ここはめちゃくちゃ大事です。

恋愛では探索まで行っている人でも、新しい仕事では生存・生殖かもしれない。

仕事では探求まで行っていても、ギターを始めたばかりなら生存・生殖かもしれない。

だから、

その対象について、その人が今どの段階で見ているのか

を考える必要があります。

恋愛でも、

0→1を頑張っている人。
100人を目指している人。
理想の彼女一人と長期関係を築いている人。

同じ「恋愛を頑張っている人」でも、今頑張っている場所は全然違います。

当然、何を言われたら嬉しいかも違います。

大学院メンバー同士で話してみるのも面白いと思います。

相手にアンテナを向けながら、

「この人は今、何を重要だと思っているんだろう」
「何によって自己重要感を感じているんだろう」

と考える。

そうすると、人による差分がだんだん見えるようになります。

自分より下の段階には「目線を合わせる」

翔太:

自分が探求まで行っていると、生存・生殖で苦しんでいる人を見て、

「まだそんなこと気にしてるの?」
「もっと自分の意義を見出したらいいのに」

と思ってしまうことがあります。

いちろ:

でも、その人はその人なりに本気で苦しんでいる。

僕らも通ってきた道ですもんね。

翔太:

そうです。

だから、

「自分がその段階にいた時、何を求めていたっけ?」

と思い出す。

これが魅力だと思います。

今の自分が正しいと思うものを押しつけるんじゃなくて、相手が今求めているフェーズのものを提供する。

アドバイスが刺さらない時も、ここがズレています。

相手はただ、

「辛かったね」

と受け入れてほしい。

でも自分が探索の目線から、

「こうした方がいいよ」
「ここを改善したら?」

とアドバイスしてしまう。

それは自分の視点でしか善悪を見ていません。

相手の自己重要感にチューニングできていない。

いちろ:

相手が落ち込んで生存・生殖まで下がっているのに、こっちは探索のまま、

「こうした方がいい」

と言っている感じですね。

翔太:

そうです。

相手のステージに目線を合わせることが大事です。

逆に、自分より上の段階はなかなか見えません。

自分がまだ関心を向けたことがないから、本心では理解できない。

格上の相手を魅了しづらい理由の一つも、ここにあります。

何を言えば刺さるのかが見えない。

自分の段階が上がるほど、下の段階にも目線を合わせられるようになり、より多くの人を満たせるようになります。

それが、選べる側になっていくということでもあります。

宿題1|自分の自己重要感がどう変わってきたか振り返る

翔太:

最後に、今回やってほしいアクションをまとめます。

まず対自分です。

「自分は今どの段階なんだろう?」

を考える。

それだけではなく、過去も振り返ってみてください。

「あの時は何に囚われていた?」
「何を言われたら一番嬉しかった?」
「何が怖かった?」
「何を達成したくてしょうがなかった?」
「いつから、それに興味がなくなった?」

囚われていたものは、その時の興味関心事です。

つまり、自己重要感の対象です。

いちろ:

僕なら青春コンプですね。

制服デートしたかった。
制服ディズニーしたかった。

そこへのコンプレックスがめちゃくちゃ強かった。

翔太:

そういうものが、どう変わっていったのか。

なぜ解決したのか。
あるいは、解決していなくても、なぜ昔ほど興味がなくなったのか。

そこには、自分だけの変容のストーリーがあるはずです。

人生曲線みたいな形で、一枚の紙にまとめてみてもいいと思います。

過去の自分を理解できると、将来、過去の自分と同じ段階の人に出会った時、その人が何を求めているのか分かるようになります。

宿題2|相手の自己重要感を仮説にして、実際に満たす

翔太:

もう一つは対相手です。

これから口説く女性、彼女、大学院メンバー、職場の人などに対して、

「この人が重要だと思っていることは何だろう?」
「この人は何を言われたら自己重要感が満たされるんだろう?」

とアンテナを向けてみてください。

その場で分からなければ、家に帰ってからストラテジーノートに、

「この人は、こういう自己重要感を持っているかもしれない」

と仮説を書いてみる。

でも、分析だけで終わらせないでください。

実際に言う。実際にやる。

「こういうことを言ったら、この人は満たされそうだな」

と気づいたのに、これまで同じような人へ本当に言えていたか。

多分、やっていないことがたくさんあると思います。

やらなければ、相手に価値を提供したことにはなりません。

いちろ:

仮説を立てただけでは、相手には何も伝わらないですからね。

実際に言えば、答え合わせもできる。

翔太:

そうです。

フィードバックが返ってきます。

たとえば、

「そうなんですよ」
「そうなの」
「めっちゃそう」
「本当にそれ」
「確かに」

みたいな、相手の中で腑に落ちているリアクションが返ってきたら、かなり仮説が当たっている可能性があります。

逆に、

「ん?」

という顔をされたら外している。

そこから修正すればいい。

これを何度も繰り返してください。

大学院メンバーは練習相手としてすごくいいです。

みんな味方ですし、多少外しても大丈夫です。

相手が何を求めているのかを見る。
仮説を立てる。
実際に満たしてみる。
反応を見て答え合わせする。

この繰り返しで、口説きの解像度はかなり上がります。

今の段階を食い切った先を、3章で扱う

翔太:

今回で2章は以上です。

2章では、

  • 欲求段階の全体像
  • 段階ごとに、どんな自己重要感があるのか
  • 今の欲求段階を食い切ることの大切さ

を話してきました。

じゃあ、今の段階を食い切った。

数字を追い切った。
満たされた。
そして虚無感が来た。

その時、人はどうやって次の段階へ上がるのか。

3章からは、その段階が上がる瞬間について話していきます。

いちろ:

移行の部分ですね。

翔太:

そうです。

だからこそ、今は自分の現在地に開き直って、今の段階をやり切ってください。

来月、段階がどう上がるのかを話します。

それまでに、自分の自己重要感を満たす。

そして、その経験を周りの人を満たすための手札に変えていく。

ぜひ、今回の宿題もやってみてください。

いちろ:

今のうちにやっておこう、という感じですね。

翔太:

はい。

ということで、今月もありがとうございました。

いちろ:

ありがとうございました。また来月お会いしましょう。