こんにちは。資本主義研究室リーダーの大石です。
前回に続き、AI力を高めていくためのアウトプットを行います。
前回のAI力を高めよう①のアウトプットはいかがでしたか?
「思ったより簡単だった!」
という声もあれば、
「なんだか期待していた答えと違った…」
という感想もあったのではないでしょうか。
(もし前回のアウトプットをご覧になっていない方は↓よりご覧ください!)

実は、これは当然のことなんです。
同じAIを使っても、
どう質問するかの「質問力」によって返ってくる答えの質が天と地ほど変わるのがAIの特徴です。
このアウトプットを読んでいただくことで、以下のスキルを身につけることができます。
- AIから思い通りの答えを引き出せるようになる
- 仕事や日常でAIを本格的に活用できるスキルが身につく
- 周りの人がAIで苦戦している中、あなただけが確実に成果を出せるようになる
それでは、AIを使いこなすテクニックを学んでいきましょう!
P.S.
前回の予告では「音声入力」について取り上げる予定でしたが、今回はその前によりAIを身近に感じ、実際に使いこなすための基礎をお伝えする方が先だと判断しました。
AIは触れれば触れるほど理解が深まり、あなたの生活や仕事にとって欠かせない存在になります。
そのため、本章では「AIを使い始める」ことそのものに焦点を当てた内容に変更し、お届けします。
1. 前回の振り返り ─ AIを触ってみてどうでしたか?
前回、実際にChatGPTを触ってみた皆さんから、こんな声が想像できます:
「意外と簡単だった!」
「思っていたより普通に会話できてビックリしました」
「なんでもすぐに答えてくれるから便利ですね」
ですが、他には
「なんか物足りない…」
「期待していた答えと違うことが多かった」
「もっと具体的な回答が欲しかったのに、当たり前のことしか言ってくれない」
実は、この温度差には明確な理由があります。
AIを使いこなせる人と、イマイチ活用できない人の差は、「AIへの質問の仕方」にあります。
(本来はAIへの質問する文章を「プロンプト」と表現しますが、今回は「質問力」とお伝えします。)
料理に例えると、同じ材料を使っても、作り方が違えば全く違う味になりますよね。
AIも同じで、「どう質問するか」で結果が劇的に変わってきます。
1.5. そもそもAIとは何か? ─ あなた専用のカウンセラーという発想
AIへの質問力の話に入る前に、まずは「AIとは何か」を改めて整理しておきましょう。
前回のアウトプットを読んでいない方や、「なんとなくAIを使ったけど、結局何なのかよくわからない」という方も安心してください。
AIの正体を一言で表すなら
AIとはざっくり言うと「あなた専用のカウンセラー」です。
このカウンセラーには以下のような特別な能力があります。
- 24時間いつでも相談可能
- どんな分野の相談でも対応
- 判断せずに話を聞いてくれる
- 無限に時間をかけて付き合ってくれる
- 相談料は基本無料
具体的にAIができること
① 悩みの整理と解決策の提案 「なんとなくモヤモヤしている」状態から、「具体的に何をすべきか」まで一緒に考えてくれます。
例:「仕事にやりがいを感じない」 → AIが原因を分析し、5つの解決アプローチを提案
② アイデアの壁打ち相手 あなたのアイデアに対して、建設的な意見やリスクの指摘をしてくれます。
例:「副業で5万円の収益を上げたい」 → あなたの目標やスキルを考慮した提案、収入目安とリスク、詳細なアクションプラン
③ 作業の効率化 文章作成、資料作成、情報整理など、時間のかかる作業を大幅に短縮できます。
なぜ「カウンセラー」という表現を使うのか
人間のカウンセラーとAIの最大の共通点は、**「相手の話をじっくり聞いて、整理して、選択肢を提示する」**という点です。
人間のカウンセラーとの違い:
- 時間制限がない
- 相談内容を判断しない
- 感情的にならない
- 専門分野の制限がほぼない
- いつでもアクセス可能
ただし、AIにできないこと:
- 人間の感情に共感すること
- 実際の行動を代わりにしてくれること
- 100%正確な情報の保証
- 人間関係の微妙なニュアンスの完全理解
2. なぜ同じAIでも人によって結果が違うのか?
ここで、AIの仕組みを少しだけ理解しておきましょう。難しい話ではありません。
AIは「次に来る言葉の確率」を計算している
ChatGPTなどのAIは、実は「次にどんな言葉が来る可能性が高いか」を計算して文章を作っています。
例えば「今日は雨が○○」という文章があったら、空欄には「降っている」が来る確率が高いですよね。
AIはこれを超高速で計算しています。
つまり、AIは「正解」を知っているわけではない
AIは単純に「確率の高い答え」を返しているだけ。
だからこそ、あなたが与える情報によって、その確率を大きく変えることができるのです。
これが、同じAIでも人によって結果が全く違う理由です。
料理のレシピで考えてみましょう
- 「美味しい料理を作って」
→ 当たり前の基本レシピが返ってくる - 「20代男性向けで、調理時間15分以内、材料費500円以下の、疲れた時でも作れる簡単で美味しい料理を3つ教えて」
→ あなたにピッタリの具体的なレシピが返ってくる
どちらがあなたの役に立つか、一目瞭然ですよね。
3. AIから最高の答えを引き出す5つの原則
では、具体的にどうすればAIから思い通りの答えを引き出せるのでしょうか。
これから紹介する5つの原則を使えば、あなたのAI活用レベルは一気に上級者レベルまで跳ね上がります。
原則① 背景情報を最初に伝える
Before:「営業のコツを教えて」
After:「私は20代の営業マンで、IT関係の法人営業を担当しています。お客様は社長や役員クラスが多く、月20件程度商談しています。現在の成約率は15%程度で、これを25%まで上げたいと考えています。このような状況での営業のコツを教えてください」
なぜこれが重要なのか?
AIは文脈がないと、一般論しか返せません。あなたの状況を詳しく伝えることで、あなた専用の答えを生成できるようになります。
具体的なコツ:
- あなたの立場(職業、経験年数、役職など)
- 現在の状況(課題、目標、制約条件など)
- 求めている結果(具体的な数値目標があれば尚良し)
オンラインコース(旧Theory)の質疑応答ライブで、
・「目標」「現状」「課題」を書いて質問しよう
とお伝えしていたと思いますが、AIへ質問する時も同様です。
目標と現状と課題を AIへ伝えることでより 正確な回答を得ることができます。
原則② 理解度を確認してから進む
Before:いきなり本題の質問をする
After:「まず、私が説明した状況について、あなたが理解した内容を要約してください。その後で具体的なアドバイスをお願いします」
なぜこれが重要なのか?
人間同士でも、話の前提が食い違ったまま議論すると迷走しますよね。AIも同じです。
最初に「認識合わせ」をすることで、的外れな回答を防げます。
実際の使い方:
- 背景情報を伝える
- 「上記の内容を要約してください」と指示
- AIの要約を確認し、必要があれば修正
- 認識が合ったら本題に進む
原則③ 作業を小分けして指示する
Before:「転職活動の完璧な戦略を作って」
After: 「転職活動の戦略を段階的に作りたいです。まず、転職活動の大まかな流れを5つのステップで教えてください。各ステップについては、後で詳しく相談させてもらいます」
なぜこれが重要なのか?
大きなタスクを一度に処理しようとすると、AIも人間も混乱します。小さく区切ることで、各段階での精度が格段に上がります。
効果的な進め方:
- 全体の骨組み・見出しだけを作ってもらう
- 見出しを確認・修正する
- 1つずつ詳細を詰めていく
- 各段階でフィードバックを入れる
原則④ 求める答えの形を具体的に指定する
Before:「プレゼンのコツを教えて」
After:「プレゼンのコツを、以下の形式で教えてください:
- 箇条書きで10個
- 各項目は具体的なアクション形式で
- 理由も1行で併記
- 初心者でもすぐ実践できるレベルで」
なぜこれが重要なのか?
「どんな形で答えが欲しいか」を明確にすることで、あなたが実際に使いやすい形の回答が得られます。
指定できる要素:
- 項目数(5つのポイント、10個のアイデアなど)
- 文字数(300字程度、1000字以内など)
- 形式(箇条書き、表形式、ステップ形式など)
- 詳細度(概要レベル、具体的な手順レベルなど)
原則⑤ うまくいかない時はリセットする
Before:間違った方向に進んでも、そのまま続ける
After:「少し話が逸れてしまったようです。一度リセットして、最初から考え直しましょう。私の本来の質問は〜でした」
なぜこれが重要なのか?
AIは前の会話を記憶しているため、間違った前提で話が進むと、どんどん的外れな方向に向かってしまいます。思い切ってリセットすることで、正しい軌道に戻せます。
リセットのタイミング:
- 求めていた答えと全然違う方向に進んだ時
- AIが同じことを繰り返し始めた時
- 会話が複雑になりすぎて要点がわからなくなった時
4. よくある失敗パターンと対処法
実際にAIを使っていると、よく遭遇する失敗パターンがあります。事前に知っておけば回避できるので、チェックしておきましょう。
失敗パターン① 抽象的な質問で凡庸な回答
よくある質問:「仕事を効率化する方法を教えて」
返ってくる答え:
- ToDoリストを作りましょう
- 優先順位をつけましょう
- 集中できる環境を整えましょう
- 休憩を適度に取りましょう
なぜこうなるのか? 情報が足りないため、AIは最も一般的で無難な答えしか返せません。
対処法:
原則①「背景情報を最初に伝える」
と
原則④「求める答えの形を具体的に指定する」
を使って、具体的な状況と求める答えの形を明示する。
失敗パターン② 途中で話がかみ合わなくなる
症状:
- AIの回答が的外れになってくる
- 同じような内容を繰り返す
- 質問の意図と違う方向に進む
なぜこうなるのか? 最初の認識合わせが不十分で、前提条件がズレたまま会話が進んでしまった。
対処法:
原則②「原則② 理解度を確認してから進む」
の認識合わせを徹底し、必要に応じて原則⑤でリセットする。
5. 実践ワーク:AIへの質問力チャレンジ
理論はここまで。実際に手を動かして、AIの効果を体感してみましょう!
資本主義研究室では、使用するAIはChatGPTを推奨しています。
(理由はClaudeやGeminiなど様々なAIツールがありますが、ChatGPTが一番汎用的に扱えるため。)
↓
https://chatgpt.com/
例1:副業のアイデア相談
【Step 1】Bad例を試してみる(3分)
まず、以下の質問をそのままChatGPTに投げかけてみてください:
「副業を始めたいので、良いアイデアを教えてください」
どんな答えが返ってきましたか?おそらく、とても一般的で当たり前な答えだったと思います。
【Step 2】Good例を試してみる(5分)
今度は、5つの原則を使って改良したバージョンを試してみてください:
【背景情報】
私は28歳の会社員(事務職)で、平日は19時頃に帰宅、土日は比較的時間があります。パソコンスキルは基本的なOffice操作程度。月3-5万円程度の副業収入を1年以内に目指しています。
【質問】
上記の私の状況を理解した上で、以下の形式で副業アイデアを教えてください:
- 5つのアイデア
- 各アイデアごとに「必要スキル」「始め方」「月収目安」「メリット・デメリット」を記載
- 未経験でも始めやすい順番で並べてください
まず、私の状況について理解した内容を要約してから、アイデアを提示してください。
【Step 3】結果を比較する(2分)
2つの回答を比べてみてください。おそらく、以下のような違いがあったはずです:
Bad例の特徴:
- アフィリエイト、転売、ライティングなど一般的な項目の羅列
- 具体性に欠けるアドバイス
- あなたの状況を考慮していない提案
Good例の特徴:
- あなたの時間的制約や スキルレベルを考慮した提案
- 具体的な始め方や収入目安
- 実際に行動を起こせるレベルの詳細度
【Step 4】さらに深掘りしてみる(5分)
Good例で気になったアイデアがあれば、さらに深掘りしてみましょう:
「先ほど提案してくれた〇〇について、もう少し詳しく教えてください。
具体的には:
- 最初の1ヶ月で何をすべきか、週単位のスケジュール
- 必要な初期費用の詳細
- 起こりうる失敗とその回避方法
を教えてください」
このように段階的に深掘りすることで、実際に行動できるレベルの詳細な情報が得られます。
P.S.
今回の質問例は↓より確認いただけます。
https://chatgpt.com/share/683664b7-ed38-8007-b8a1-66157cd98b7e
例2:転職相談
【Step 1】Bad例を試してみる(3分)
まず、以下の質問をそのままChatGPTに投げかけてみてください:
「転職しようか悩んでいます。どうしたらいいですか?」
どんな答えが返ってきましたか?おそらく、「自分の価値観を整理しましょう」「転職エージェントに相談しましょう」といった一般的なアドバイスだったと思います。
【Step 2】Good例を試してみる(5分)
今度は、5つの原則を使って改良したバージョンを試してみてください:
【背景情報】
私は入社4年目のマーケティング職(27歳)で、仕事自体にはやりがいを感じています。ただ、理想のライフスタイル(週1在宅勤務、年収600万以上、海外出張のある仕事)が現在の会社では実現できそうにありません。スキルアップにも積極的で、最近はデジタルマーケティングの資格も取得しました。転職するか、現職で改善を図るか迷っています。
【質問】
上記の状況を理解した上で、以下の形式でアドバイスをください:
- 現職で理想に近づく方法 3つ
- 転職を検討する場合の準備ステップ 3つ
- 判断するための具体的な基準 3つ
- 各項目に1ヶ月以内にできる具体的アクションを併記
まず私の状況とキャリア目標の要約から始めてください。
【Step 3】結果を比較する(2分)
2つの回答を比べてみてください。おそらく、以下のような違いがあったはず:
Bad例の特徴:
- 「自己分析をしましょう」など抽象的なアドバイス
- あなたの業界や職種を考慮していない一般論
- 具体的な行動ステップが不明確
Good例の特徴:
- マーケティング職としての具体的なキャリアパス
- 理想のライフスタイル実現に向けた現実的な選択肢
- 1ヶ月以内に実行できる具体的なアクション
【Step 4】最も気になる選択肢を深掘りする(5分)
Good例の回答の中で最も気になった選択肢(現職改善 or 転職準備)について、さらに詳しく聞いてみましょう:
「先ほどの提案の中で『現職で理想に近づく方法』について、もう少し詳しく教えてください。
具体的には:
- 上司に在宅勤務を提案する際の効果的なアプローチと資料構成
- デジタルマーケティング資格を活かした具体的なプロジェクト提案例
- 3ヶ月間で実行すべき優先順位付きのアクションプラン
を教えてください」
最後に:感想をシェア(2分)
ぜひ質問を行ったら、 #223_アウトプット_資本主義研究室 にて:
- Before/Afterの違いについての感想
- 実際に試してみたい副業アイデア
- プロンプト改善で気づいたこと
をシェアしてみてください!
6. まとめ
【今回のポイント振り返り】
AIから最高の答えを引き出す5つの原則:
- 背景情報を最初に伝える → あなた専用の回答を得る
- 理解度を確認してから進む → 認識のズレを防ぐ
- 作業を小分けして指示する → 精度を高める
- 求める答えの形を具体的に指定する → 使いやすい形で回答を得る
- うまくいかない時はリセットする → 正しい軌道に戻す
この5つを意識するだけで、あなたのAI活用レベルは飛躍的に向上します。
重要なのは「AIは全てを知っているわけではない」という理解です。
AIが万能の答えを知っているわけではありません。
あなたが与える情報によって、より良い答えを返す確率を高めることができる—この発想を持つことが、AI活用の第一歩です。
【今すぐできるアクション】
- 今回学んだ5原則を使って、何か1つあなたの悩みをAIに相談してみる
- 結果をSlackでシェアして、他の人の活用法も参考にする
- 日常的にAIを使う習慣をつける(1日1回でもOK)
AIは使えば使うほど、あなたの強力なパートナーになります。ぜひ継続的に活用していきましょう!