大学院版オンラインコース2−2

魅力の大学 大学院版オンラインコース

大学院版オンラインコース 2-2|自己重要感と自分軸

出演者翔太/いちろ
配信日2026年8月1本目

まず「自分はいまどの段階か」を正しく見る

翔太:

今回は大学院版オンラインコース2-2です。

前回2-1では、欲求の段階について具体的に見ていきました。今回はそこから「自己重要感」と「自分軸」がどうつながっているのかを話していきます。

ただ、その前に一つだけ。

一番多い質問が、

「自分は今どの段階ですか?」
「探索ですか? 探求ですか?」

というものなんですよね。

ここは少し耳が痛い話になるかもしれません。

人間には、自分を平均より少し上に見積もりやすいバイアスがあります。だから欲求段階でも、実際より少し上に見たくなりやすい。

僕自身も「貢献まで行ってると思いたいな」と思います。でも行動を客観的に見ると、まだ探求っぽい反応も普通にあります。

現在地を間違えると、目標との差分も出せません。

まずは、自分の段階を正しく見るところから始めます。

SNSで「ざわつく相手」が、自分の現在地を映す

翔太:

分かりやすい判定方法の一つが、SNSや大学院Slackで自分の感情を見ることです。

投稿を見て、

「この人ちょっと苦手だな」
「リアクション押したくないな」
「なんか気に食わないな」

とざわつく相手はいませんか。

その感情が、自分の段階を映す鏡になります。

生存・生殖の段階なら、0→1を達成した人や成果を出している人を見て、

  • 羨ましい
  • 焦る
  • 置いていかれた感じがする
  • 自分が攻撃されたように感じる
  • 「俺もやってるし」と防衛したくなる

といった反応が出やすい。

その人を敵だと思っているわけではないのに、成果を見ると心がざわつく。

それはまだ「自分は受け入れられるか」「自分も成果を出せるか」という欲求が強いということです。

探索では「評価されているか」が気になる

いちろ:

探索になると、相手が自分より上か下かみたいなスカウターが発動する感じがありますよね。

翔太:

あります。

自分よりレベルが高そうな人を見ると身構える。

「否定されないかな」
「自分は下に見られないかな」

と感じる。

自分では「やりたいことを探しているから探求だ」と思っていても、周囲からどう評価されているかに強く反応するなら、探索の欲求がまだ大きい可能性があります。

探求へ行きたいからといって、探索を飛ばすことはできません。

探求は「自分の信念に反するもの」にざわつく

翔太:

探求になると、優れている人を見ても、以前ほどざわつかなくなります。

「その人はその人ですごい」
「自分とは違うゲームをやってる」

と見られる。

代わりにざわつきやすくなるのが、自分の信念や美学に反するものです。

例えば、魅力の大学では「女性を幸せにする」という考え方を大事にしています。

その状態で、女性を食い物にするような恋愛発信を見ると、

「それは違うだろ」
「そんなことしたらダメだろ」

と腹が立つ。

稼ぐためなら人を不幸にしてもいい、みたいなビジネスにもイライラする。

これは、「自分はこう生きる」という信念が育っている一方で、その信念を世界の正解にしやすい探求の特徴でもあります。

自分の正しさから離れると、貢献が見えてくる

いちろ:

僕らも昔、これありましたよね。

僕は実務家寄りで、

「で、結局どうするの?」
「具体的な施策に落とすと何?」

をすごく重視していました。

翔太くんは構造や抽象の話が好きで、

「そもそも何を目指すんだっけ」
「組織として何をすべきなんだっけ」

を考える。

昔はお互い、

「あいつ話が分かりづらいな」
「具体の話しかしてないな」

と感じることがあったと思います。

翔太:

そうですね。

各々が、自分の信念を正しいと思っていた。

でも、相手の考え方にもメリットがあるし、自分にないものを持っている。

「違うからこそ組織として強くなる」

と見られるようになると、貢献に近づいていきます。

段階が進むほど、腹が立つ対象は少しずつ減ります。

探求へ行く前に「食いっぱぐれない安心感」を作る

翔太:

ここから、かなり耳の痛い話をします。

「自分の強みを活かして働きたい」
「自分らしいキャリアを作りたい」

というのは探求っぽい話です。

でも、その前に、

自分はどこへ行っても最低限食っていける

という安心感を作っておいた方がいい。

将来のお金が不安。
会社から切られたら終わり。
自分には市場価値がないかもしれない。

そういう不安が大きい状態では、自分らしさを純粋に考える余白がありません。

「認められなきゃ」
「会社にしがみつかなきゃ」

が後ろから追いかけてくるからです。

仕事であれば、向いていないと思う仕事でも、一度はその場で求められていることへ本気で応え切ってみる。

恋愛なら、

「ある程度の女性なら、彼女を作ることに一生困らない」

と思えるくらいまでやる。

この安心感を作るのが、探索をやり切るということです。

他人の評価が気になるなら、逃げずに見に行く

いちろ:

他人の評価が気になるなら、むしろ見に行っていいんですね。

翔太:

そうです。

転職サイトに登録する。
自分の市場価値を見る。
仕事で評価を取りに行く。
周囲からどう見られているかを聞く。

他人軸を気にしているのに、

「他人軸はダサいから、自分らしく生きよう」

と逃げても、後ろから刺されます。

だったら、一度真正面からやる。

その会社で求められているものにコミットする。
成果を取りに行く。
恋愛なら、成果を出す。

やり切って、

「まあ、俺はやればできるな」

という感覚を作る。

そこまで行くと、初めて自分らしさを考える余裕が生まれます。

心の成長段階を上げる意味は「魅力の実力」を上げること

翔太:

ここから2-2の本編です。

そもそも、なぜ心の成長段階を上げる必要があるのか。

皆さんが最終的に欲しいものを考えてみてください。

理想の女性。
長期的に魅了し合えるパートナー。
仕事で活躍する力。
仲間。
余裕。
充実した人生。

そこへまだ到達していないなら、今の自分との間に差があります。

顔、年収、トーク力、仕事力など、要素はいろいろあります。

でもまとめると、魅力がまだ足りないということです。

では魅力とは何だったか。

魅力の大学では、

関わる人に価値を提供する力

と定義しています。

そして、その重要な一つが、相手の自己重要感を満たす力です。

自分が知らない満たし方は、他人にも渡せない

翔太:

ここで大事な原則があります。

人は、自分が知っていることしかできません。

例えば「相手のネイルを褒めましょう」と言われても、自分が見た目に気を使った経験がないと、そもそもネイルに気づきません。

髪。
服。
肌。
爪。

自分がそこへ意識を向けた経験があるから、相手の努力にも気づける。

自己重要感も同じです。

自分が、

  • 受け入れられる喜び
  • 認められる喜び
  • 自分らしく力を出せる喜び
  • 仲間に貢献できる喜び

を経験していないと、相手がそれを欲しがっているときに本当の意味で寄り添えません。

仕事で死ぬほど頑張って、辛くて泣いた経験がない人は、同じ状況の相手に、

「まあ何とかなるよ」

くらいしか言えないかもしれない。

当事者になったことがある人は、

「今ここが一番きついよね」
「こういう言葉が欲しいんじゃないか」

と解像度高く寄り添える。

自分の自己重要感を満たす経験が増えるほど、他人の自己重要感を満たす力も上がります。

それが魅力の実力になります。

心の成長段階と自己重要感は連動している

いちろ:

つまり、欲求段階が進むことと、自己重要感の満たし方が成熟することは同じなんですね。

翔太:

そうです。

生存・生殖では、受け入れられることが大きい。
探索では、優れていると認められることが大きい。
探求では、自分らしさを発揮することが大きい。
貢献では、その自分を使って周りへ価値を出すことが大きい。

だから段階を直接上げようとするのではなく、今の段階の自己重要感を満たし切ることが大事です。

その段階の欲求をやり切ると、次の満たし方が自然に見えてきます。

欲求は「食い切る」。中途半端だと後ろから刺される

翔太:

僕は「欲求を食い切る」と言っています。

例えば僕ら講師陣なら、

「女性に受け入れられないかもしれない」

という不安は、もうかなり小さい。

突然褒め方が分からなくなることはあっても、

「自分は一生彼女ができないかもしれない」

という恐怖が襲ってくることはほぼありません。

そこまでやり切ったからです。

一個前の欲求を食い切っていないと、後ろから何度も戻ってきます。

クロージング数がまだ気になっているのに、

「僕はもう数じゃなく、自分らしさを大事にします」

と言っても、誰かの成果報告を見るたびにざわつく。

だったら、まだ食い切っていない。

次へ行きたいなら、今の欲求から逃げないこと。

これが大前提です。

自己重要感は3つの要素に分けて考えられる

翔太:

ここから、自己重要感を3つに分けます。

  • 自律性
  • 優越性
  • 関係性

これはオンラインコース7-2で話している内容を整理して、僕がこの3つの言葉にまとめたものです。

1. 自律性――「自分だから出せる価値」がある感覚

自律性とは、

自分の意思で選び、自分の力を発揮し、「自分だからできた」と感じたい欲求

です。

仕事なら、

この仕事はあなたに任せたい

と言われる。

恋愛なら、

あなたといるから楽しい

と思ってもらう。

誰でもいいのではなく、自分だから価値が出ている。

この感覚は、かなり自分軸に近いです。

探求では、この自律性が主役になります。

2. 優越性――「自分は価値を出せる存在だ」と感じたい

優越性は、

他人より優れていると感じたい欲求です。

「優越感」というと悪く聞こえますが、人間に普通に備わっているものです。

群れの中で役に立ちたい。
価値があると思われたい。
周囲から外されたくない。

探索では、この優越性が特に強くなります。

成果。
年収。
経験人数。
クロージング数。
会社での評価。

それらが自分の価値そのものに見えやすい。

悪い欲求ではありません。

ただ、ここに支配されているうちは、自分らしさより評価が優先されます。

3. 関係性――「自分を認めてくれる居場所」が欲しい

関係性は、

自分の自己重要感を満たしてくれる人や居場所とつながりたい欲求です。

安心していられる。
受け入れられる。
取り繕わなくていい。

大学院というコミュニティも、この関係性を満たす場所の一つです。

生存・生殖では、

「受け入れられたい」
「はぶられたくない」

という形で、関係性が主役になりやすいです。

3要素は別々のスキルではない

いちろ:

種オスの安定性・多産性・正確性みたいに、一個ずつ伸ばすものなんですか?

翔太:

そこは違います。

自律性だけ今月伸ばそう。
優越性だけ強化しよう。

というものではありません。

3つは、自己重要感を理解しやすくするために分けているだけです。

生存・生殖なら、生存・生殖なりの自律性・優越性・関係性がある。
探索なら探索なりの3要素がある。
探求なら探求なりの3要素がある。

段階ごとに、3つ全部の意味が少しずつ変わります。

各段階には「主役の欲求」がある

生存・生殖では、関係性が主役です。

まず受け入れられたい。

探索では、優越性が主役です。

すごいと思われたい。
周囲より価値があると感じたい。

探求では、自律性が主役です。

自分らしく力を出したい。
自分の信念で生きたい。

そして、主役の欲求を満たしていくと、他の2つも連動して意味が変わります。

探求では、優越性の比べる相手が「他人」から「過去の自分」へ変わる

翔太:

探求まで行くと、優越性が消えるわけではありません。

ただ、比べる相手が変わります。

探索では、

「周りより成果が出ているか」
「同期より評価されているか」

が気になる。

探求では、

「昨日の自分より、自分らしい力を出せたか」
「自分の強みを伸ばせているか」

へ変わっていく。

違うゲームをやっている他人と比べても、あまり意味がないと分かるからです。

営業でも、売上だけで比較するのではなく、

「自分はどんな営業をしたいのか」
「自分の型で、昨日より相手へ寄り添えたか」

という比較になる。

こうして、自己重要感の満たし方が徐々に自分軸へ寄っていきます。

最初は誰でも他人軸。だから他人軸を悪者にしない

翔太:

ここが今回かなり大事な話です。

心の段階が低いときは、基本的に他人軸です。

生存・生殖では、
受け入れられるか。

探索では、
評価されるか。

ほぼ他人軸です。

だからといって、

「他人軸はダサい」
「自分軸で生きなきゃ」

と捨てないでください。

自分軸を作るためには、最初に他人軸を使い切る必要があります。

他人軸は、自分軸へ立つための「補助輪」

いちろ:

他人軸って、悪役みたいに語られがちですよね。

翔太:

でも最初から他人軸がなかったら、何を基準にしていいか分からないです。

親の評価。
学校の評価。
会社の評価。
恋愛での反応。

こういう外側の物差しを使って、

「自分は何ができるのか」
「何が苦手なのか」
「何をしていると楽しいのか」

という材料を集めていく。

他人軸は、赤ちゃんが立つときに使う支えや、自転車の補助輪みたいなものです。

補助輪を使い切ったから、自分でバランスを取れるようになる。

だから、他人軸の手のひらの上で一度は踊り切ることが必要です。

成功することより「やり切った」と思えることが大事

いちろ:

他人軸をやり切るって、必ず成功しないとダメなんですか?

翔太:

成功そのものより、やれることをやり切ったかです。

例えば仕事で、

「この会社合わないな」

と思った。

すぐ辞めるのも一つの選択です。

でも後から、

「あのときもう少し上司に相談できたな」
「ちゃんと評価を取りに行けばよかったな」

と引っかかるなら、やり切れていない。

逆に、

  • 周囲に相談した
  • 自分で改善した
  • 上司からフィードバックをもらった
  • やれることは全部やった

それでもダメなら、次へ進みやすい。

恋愛も同じです。

「もっとこうしておけばいけたかも」

という逃げ道を残すと、自分の現在地を正しく見られません。

やり切ると、言い訳の余地がなくなる。

そこで初めて、本当の材料が手に入ります。

やり切ったか分からないなら、客観的なレビューを受ける

翔太:

やり切りは最終的には主観です。

「自分はやった」と心から思えるか。

ただ、今は他人軸の段階なので、客観的なレビューも受けた方がいい。

仕事なら上司に聞く。
恋愛なら講師や大学院のメンバーに聞く。

「他にやれることありますか?」
「自分の弱点はどこですか?」

と聞いて、出てきたものを一つずつやる。

その上で、

「もうやれることないですよね」

となったら、かなりやり切った感覚を持てます。

他人軸を使い切ると「相手視点」が身につく

翔太:

他人軸には、もう一つ大きなメリットがあります。

相手の視点が読めるようになることです。

会社の評価を取りに行くなら、

「上司は何を求めているんだろう」
「お客さんは何を欲しいんだろう」

を考えます。

恋愛なら、

「この言い方、女性からどう見えるんだろう」
「今のムーブ、相手はどう感じたんだろう」

を見る。

他人軸は、最初は自分の価値を測る物差しです。

でも段階が進むと、相手を理解するための物差しへ変わります。

これは魅力を作る上でめちゃくちゃ重要です。

自分軸は「相手を無視すること」ではない

「自分軸で生きる」というと、

「俺はこれがやりたいから、相手がどう思おうと関係ない」

と勘違いしやすい。

それは自分軸ではなく、ただのわがままです。

魅力的な男性2.0の話でも、

他人軸に左右されない

とは言いましたが、

他人軸を捨てる

とは言っていません。

相手の視点を理解した上で、自分の価値を出す。

その順番です。

今回からできる3つのアクション

翔太:

最後に、特に探索段階の人へ、明日からできることを3つ出します。

1. 仕事――上司からレビューを受ける

上司に、

僕に期待されていることって、今何ですか?

と聞いてみてください。

その前に、自分なりの仮説を作ってから聞くとさらにいいです。

周囲から自分がどう見えているかを知る習慣を作ります。

2. 恋愛――デート音声を「女性のつもり」で聞く

アポを録音して、最初から最後まで一度聞いてください。

ただし、

「自分キモいな」
「聞きたくないな」

で終わらせない。

自分が女性になったつもりで、

「この笑い方を隣でされたらどう感じる?」
「この話をされたら、また会いたいと思う?」
「この褒め方、本当に嬉しい?」

と聞く。

自分の評価ではなく、相手からどう見えるかを見る。

これはかなり学びがあります。

3. 長期関係――「今の俺ってどう見えてる?」と聞く

彼女や妻がいるなら、本音タイムで聞いてみてください。

今の俺って、どう見えてる?
最近、嬉しかったこととか、気になったことある?

自分も相手をどう見ているか伝える。

相手視点を直接もらう機会を作ることです。

他人軸を使い切った先に、自分軸が見える

いちろ:

今日の話は、結構耳が痛かったですね。

SNSでざわつく相手は自分の鏡。
探索をやり切らないと探求へ行けない。
他人軸から逃げずに使い切る。

翔太:

そうですね。

でも、今の欲求を正直に見て、そこへちゃんと向き合うから次が見えます。

心の成長段階を上げることは、単に人格者になることではありません。

自分の自己重要感を満たす経験を広げる。
その経験を使って、他人の自己重要感をより深く満たせるようになる。
その結果、魅力の実力が上がる。

この流れです。

次回2-3では、自律性・優越性・関係性が、それぞれの段階で具体的にどう変わるのかをさらに深掘りしていきます。

まずは今回のアクションをやりながら、今の自分の自己重要感を、逃げずに満たし切ることを意識してみてください。